2022-01-01から1年間の記事一覧
そうそう家にいるだけも退屈するので、ちょっと前にスカイツリータウンにある三省堂書店に行った。そこで文庫本の棚を何気なく見ていたら、中公文庫の『八代目正蔵戦中日記』という本が目に飛び込んできた。そういう本があることは知っていたけど、中公文庫…
イギリスの映画雑誌「サイト&サウンド」が選ぶ世界映画ベストテン、2022年版はどうなっただろうか。この間に映画界では多くの変化があった。アメリカのアカデミー賞を選ぶ会員が白人男性に偏っていると批判され、人種や性別の多様化が進んだ。また「#MeToo…
世界映画史上最高の映画は何だろうか。それは人それぞれ違う考え方、感じ方があると思うけど、一応の目安というものがあるのだろうか。世界各国で映画賞やベストテン選出などが行われている。ある程度、映画の完成度には共通の感覚があるということだろう。…
先に「戦争」と「結核」が親の世代には、非常に大きな影響を与えたことを書いた。その時には父以上に母親の出来事を思い出していたのだが、その後父が自ら書いた文章を発見した。そう言えば、生前に読んだ記憶があったことを思いだした。今回は母がファイル…
朝日新聞12月21日朝刊に川本三郎さんの寄稿が載っていた。「思い出して生きること」と題された文章には、妻に先立たれてからの14年間の感慨が記されていて心に沁みる。今年で78歳だそうである。映画化もされた『マイ・バック・ページ』に描かれた事件で朝日…
見田宗介著作集を毎月読んでいくシリーズ、6回目は第Ⅱ巻『現代社会の比較社会学』を読んだ。しかしながら、前回の第5巻『現代化日本の精神構造』と同じく、一体自分は何しているんだろうと思う読書だった。一般的には読まなくていいと思うし、見田宗介研究を…
ワールドカップ・カタール大会がアルゼンチンの優勝で終わった。正直、今回のワールドカップは見てるような、見流しているような感覚だった。決勝戦は前半だけ見て寝てしまった。前日の3位決定戦、クロアチア・モロッコ戦を見ていて、もう十分満足というか、…
2年間書いてきた「日本の温泉」シリーズ。今回で終わりにして、次からは新しいシリーズを考えている。最後は四万(しま)温泉で、これは早くから決めていた。僕が何度も行ってるのは日光湯元、別所と四万温泉である。中でも四万こそ僕は日本のベスト温泉だと…
2022年も残り少なくなってきたが、今年最大のニュースは間違いなく「ウクライナ戦争」だ。世界のあり方を大きく変えてしまい、その影響は今後も長く続くだろう。年末の日本で起こった「防衛政策の歴史的大転換」もその一つの表れと言える。その問題はいずれ…
2022年12月4日に東京都品川区長選の再選挙が行われた。10月2日の最初の選挙でいずれの候補者も法定得票(有効得票総数の25%)を獲得できなかったのである。そういう場合、日本の選挙法では「再選挙」が行われることになっている。これは「決選投票」(一度…
いま映画を見に行けないし、政治や国際情勢の話をきちんと考える余裕もないけれど、本を読む時間はあるので本の話を書くことにする。いつもなら年末にはミステリーを読みふけるのだが、今年はそうもいかないから短い本を読むことにしている。ここでよく書い…
映画監督であり、批評や小説でも活躍した吉田喜重(よしだ・よししげ)が12月8日に亡くなった。89歳。最近になく没後すぐに公表された。いま、名前を「よししげ」と書いたが、それが本名である。しかし、一般的には「きじゅう」と呼ぶことが多かった。最近特…
2022年11月の訃報外国人編。時々同じ月に関連のある人が亡くなることがある。2021年11月に落語家の三遊亭円丈と川柳川柳が亡くなったが、ともに6代目三遊亭圓生の弟子として「落語協会脱退騒動」を生き抜いた因縁の人である。一年後の11月は、1989年の「天安…
2022年11月の訃報特集。映画監督の大森一樹と崔洋一を別に書いたので、他の日本人の訃報を1回目に書きたい。最初に元プロ野球投手の村田兆治。11日に自宅の火災で亡くなったというニュースに驚いた。72歳。「マサカリ投法」と呼ばれた独自の投球フォームで知…
アニー・エルノー(Annie Ernaux、1940~)を読んでみた。それは誰だ、知りませんって言ってはダメですよ。今年のノーベル文学賞受賞者だよねと即座に反応して欲しいところだけど、僕も受賞のニュースまで名前を知らなかった。邦訳は6冊あるようで、すべて早…
そう言えば今月は「民主党政権」が終わって10年になるなと思いだした。何日が選挙かもはっきりとは覚えてないので調べてみた。野田佳彦元首相と安倍晋三自民党総裁の「党首討論」が行われたのが、2012年11月14日。すぐに衆議院解散の手続が進み、11月16日に…
映画監督の崔洋一が11月27日に亡くなった。73歳。以前からガン闘病を明らかにしていたので驚きはない。ちょっと前に大森一樹監督の訃報を書いたばかりなので、同じように同時代に映画を見てきた崔監督の追悼も書いておきたい。 名前で判るように「在日コリア…
見田宗介著作集を読むシリーズ。11月は第5巻の『現代化日本の精神構造』を読んだ。3巻が『近代化日本の精神構造』、4巻が『近代日本の心情の歴史』で、今回が「現代化日本」である。続けて読んできたが、こういう名前の単行本はない。400頁ある長い本だが、…
石川慶監督『ある男』が公開された。原作は平野啓一郎『ある男』で、ほぼ原作通りの物語になっている。小さな部分で変更もあるが、テーマ性は原作を踏まえている。2018年に刊行された原作は、2021年に読んで非常に大きな感銘を受けた。原作の考えさせられる…
武田泰淳を読む3回目は『風媒花』。1952年に出た長編小説で、今は講談社文芸文庫に入っている。この前、安水稔和の本を図書館に返却に行ったら、この本があったので借りてきた。僕は昔新潮文庫で読んでいて、その時の記憶ではとても面白かった。奥付を見ると…
武田泰淳の本は何冊も持っているから、この際読んでしまおうと思って、次に「ちくま日本文学全集」の武田泰淳の巻を読んだ。これは全集と言っても文庫版なので読みやすい。全50巻で出て、その後全40巻になって今も出ている。もっとも、残念ながら武田泰淳は…
最近、武田泰淳(たけだ・たいじゅん、1912~1976)をずっと読んでいる。誰だと言われるかもしれない。「戦後派」の代表的な作家の一人である。昔いろいろと読んで好きな作家だった。でも読み残しが結構ある。もう半世紀近く前に亡くなっていて、今年は生誕1…
『バルド、偽りの記録と一握りの真実』〈Bardo (or False Chronicle of a Handful of Truths)〉という映画が限定公開されている。Netflix配信の映画だが、これは是非大画面で見ておきたい。アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督7年ぶりの長編映画で、…
何度も行っている温泉を最後に書いておきたい。そうすると日光湯元温泉になるけど、まあ今までいっぱい書いてきたから、長野県の別所温泉を取り上げる。三重県の榊原温泉を書いた時に、『枕草子』に「湯は七久里の湯、有馬の湯、玉造の湯」とあるのを紹介し…
デヴィッド・O・ラッセル監督『アムステルダム』という映画。アメリカでは評判が今ひとつらしく、確かに演出に大げさなところがあるけれど、懐かしいムードがあって捨てがたい映画だった。アムステルダムはもちろんオランダの首都で、昔主人公3人が運命的に…
大森一樹監督が亡くなったとスマホで知って驚いた。70歳と出ていた。若手だった人がそんな年になっているんだから、自分の年も推して知るべし。特に大ファンだったというのではないけれど、大森監督の話は何回か聞いていてビックリした。急性骨髄性白血病と…
サッカーワールドカップのカタール大会が近づいて来た。今回は開催時期が暑い時期を避けて11月~12月に行われること、そして小国カタールだけで試合を行うために移動時間が少ないことなど、かつてなく異例な大会である。西アジアから北アフリカに広がるイス…
スペインのペドロ・アルモドバル監督の新作『パラレル・マザーズ』(2021)が公開された。30分の短編『ヒューマン・ボイス』(2020)も同時に公開されているが、初の英語映画のこっちも見逃せない面白さである。まあ、そっちは最後に回すとして、まずはペネ…
詩人の安水稔和(やすみず・としかず)が2022年8月16日に死去、90歳。訃報が公にされたのは10月になってからだった。僕は新聞で知って、そう言えば昔この人の詩集を読んだなあと思いだした。それは素晴らしく瑞々しい青春の詩だったけれど、新聞記事では神戸…
10月になって公表された8月の訃報が2件あった。それぞれ書くべきことがあるので、2回に分けて書くことにする。その一つが今村核弁護士の訃報で、まだ59歳だったから、本当に驚いた。掲載されてない新聞が多く、知らない人も多いのではないか。非常に大きな損…